父親の顔はわからず、母親は薬物中毒。どん底とも言える環境の中、恵まれた体格と奇跡のような出会いが1人の青年の未来を変えた。

ホームレスからプロアメフトプレイヤーへ。よくあるサクサスストーリーと鷹を括って観ていなかった映画だった。だが、YouTubeのとある映画紹介であらすじを知り、面白そうだと思った。さらに実話を元にした話と知って私の手はGEOの陳列棚に伸びていた。

“いじめられっ子”で”ホームレス”な男が子供から”猛特訓”をうけてアメフトのスター選手になる【映画紹介】

雨の夜、娘のバレーの試合を見に行った帰りに濡れて歩く巨漢の青年に声をかける。これだけでも勇気がいるが、行く当てのない青年を自宅に招き泊めてあげるなんてなかなか普通の人には出来ない。

青年にもほっとけない何かがあったのだろうか。過酷な環境下でありながら暴力的にならなかった彼の雰囲気がそうさせたのかもしれない。映画ではかなりおっとりした性格で描かれている。

マイケルというのが彼の名だが、まったく優等生かというとそういうわけでもない。あまつさえ運転する車で事故を起こしたりする。

だが、それでも彼と家族の関係が崩れることはなかった。

マイケルのほうも素人同然だったアメフトをひたすら頑張り、大学から奨学金をもらえるまでの成長を見せ、家族として認められる存在になっていた。学業の面でも専任の家庭教師を付けられたとはいえ、入学当初から比べると非常に努力をしたのだと伺える。

マイケルを受け入れた家族(父も娘コリンズも息子のSJも)も当然素晴らしいのだが、学校の先生たちもまた非常に理解のある態度で臨んでいた。

人間とはこうでありたいという理想である。

確かにお金に余裕があり、裕福であったら何か人助けをしたいと思うことはあるだろう。

だが、私の場合は寄付をしたり、いわば間接的な人助けになってしまうのではと考えてしまう。

自分の家族に、ある程度年齢のいった青年と一緒に暮らすというのはとても考えられない状況である。映画の終盤、リー・アンの「私の息子」と言い切ったときは涙が出た。

これがフィクションなら、まぁ感動的なストーリーだねで済むのだが、実話というからには驚きを隠し得ない。

情けは人の為ならずというが、どんなときでも他人を思いやれる強い人間になりたいものである。

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