オオヨシキリ。川原の芦原に、この鳥のさえずりが聞こえると夏を感じる。ギョギョシ、ギョギョシとせわしなく、そこかしこで鳴き出すのでともすれば五月蠅い。
スリムな姿でありながら、その鳴き声は本当に大きく声もなんだか濁声である。次の動画だと鳴くときに羽毛が逆だっていくのがわかって興味深い。また口の中が鮮やかな赤色というのも特徴だ。似た鳥でコヨシキリというのがいるが、こちらの口の中は黄色い。
若草色というのか、奇麗な色、可愛い姿をしているだけに少し残念な鳴き声である。
かの俳人、小林一茶がその鳴き声を俳句に詠んでいる。
『行々子 口から先に 産まれたか』
この行々子(ぎょうぎょうし)というのは夏の季語であるらしい。
そんな彼らだが、芦原の減少で昔に比べると聞く機会が減った気がする。五月蠅いなぁと口では言いながら、顔は笑って聞き流していこうと思う。