ウオノメの治療をしている。ウイルス性のらしく、液体窒素だかで焼くのだが、これがまぁ痛い。
遡ればウオノメがあるなと思いながらも放置してきて2年が経っていた。初めは小さなイボみたいで、痛くもなんともなかったのだ。
それから2年、何度か皮膚科に行こうかなと思いながらも、休日は幼い我が子と遊ぶことを優先し先延ばしにしてきた。
そして夏のある日転機が訪れる。ウオノメの周りがタコ化して歩くのが若干痛くなっていたのだが、そこに小石を踏んづけてしまったのだ。思わず声が出る痛みとともに暫し悶絶し座り込む。行こう、病院へ。
覚悟を決め皮膚科を受診した私は、それでもまだ、余裕があった。ウオノメなんてすぐ治るだろう。終わったら公園に行って、買い物もして帰ろうかなと。そして名前が呼ばれ、治療がはじまった。
看「消毒のアルコールは大丈夫ですか?」
私「はい」
看「それじゃあ始めますね〜」
私「お願いします」
私「………!!?」
激痛が私の足を襲った。それはもう、今まで経験したことのない痛みであった。かつて足を骨折したことがあって、それも痛かったのだがそういう、痛みではない。皮膚の内側から文字通り身を焼かれる痛みに頭の中は真っ白になっていった。
いつ終わるのかと歯を食いしばること数十秒。ようやく終わった。診察台から降りて靴を履こうと思ったが、履けるものではない。なんとか靴下を履き、かかとを踏み潰して足を納める。うん、歩けない。片足けんけん状態で待合室に向かった私は椅子に座る気も起きず、片足を浮かせたまま支払い窓口の前に立ち尽くした。
その日は何もできなかったことは言うまでもない。この治療には回数を要するみたいで、1、2週間に1度のペースで通っているが、そこまでの痛さは初日だけで、あとは慣れもあるのか多少は治療後も歩けるようになった。ただ期間が開くとやはり痛みが増し、買い物時に車椅子のお世話になることもあった。
まだ完治には至らずで、それどころか足の指にも見つかったとかでもどかしいのだが(指の治療がこれもまぁ痛いのだ)、早く治ってほしい一心である。