人間とは何かを、改めて考えるきっかけになったアニメ。名前は聞いたことあるけど観たことがないという人にはぜひ観てほしい作品である。
自分は誰か、名前すらも記憶のない主人公。サバンナで最初にあったサーバルと、ボスの3人でなんの動物かを探しに行くというストーリー。
初見時はいろいろなサイトでいわれているとおり、最初の5分は「何だこのアニメは(否定的)」であった。
(そもそも私が「けものフレンズ」を知ったのが、ヤフーニュースで話題になっていたからであったため、このアニメが面白いという情報を知っていたからであり、それを知らなければここでリタイアしていた可能性もあった。)
しかし、話を見進めるうち、だんだん謎の魅力を感じるというか引き込まれていくようになった。
音に敏感な様子を表現するために、細やかに動く耳。疲れた時のかばんちゃんとの呼吸の速さの違い。なんとなく棒読みな喋り方や好奇心旺盛なところ等、どことなく動物を感じさせるサーバル。
背景の美しさはもとより、3Dモデルとは一見見えないキャラクターの動きなども、すごく丁寧に作られている作品なんだなと感じるようになり、改ためて「なんだこのアニメは(感心)」と思うようになっていた。
かばんちゃんとしか喋らないボスことラッキービーストも大好きなキャラクターだ。愛らしい見た目と頼もしい口癖。そして期待に反し(?)意外と無能な表現があるのも楽しい。ニコニコ動画で見ることを意識していたとかで、非常にコメント映えする演出である。
Cパートが面白いのも良い。個人的に映画でもアニメでもCパートは好きなのだが、けものフレンズのCパートは特に完成度が高い。各話毎にCパートが繋がっており、絶妙に本編に絡んでるのがたまらない。
各話でかばんちゃんにより、人類の叡智が見受けられるわけだが、この見せ方というか表現が、いやみではなく自然に、フレンズを助けるために考えて行動しているところがものすごく好きである。優しい世界と言われる所以であり、多くの人の心を掴んだ原因だろう。私もその一人である。
アニメとして面白かったはもちろん、見終わったあと、人間とは何か、私は何ができるのかというのをひどく考えさせられた作品であった。たつき監督を知ったのも大きな収穫であったと思える。
全12話でいろいろどったんばったんがあり、笑いあり、涙ありの王道ストーリーであるが、観終わったあと、きっと心がほっこりしているだろう。
是非視聴し、一緒に「なんだこのアニメは(驚嘆)!!」を味わってはいかがだろうか。